「MEO対策って、やったほうがいいんですか?」店舗ビジネスをされている方から、よくいただくご相談です。Googleマップを活用して集客する「MEO(Map Engine Optimization)」は、地域密着型のビジネスにとって非常に効果的な施策です。しかし、すべての業種に必ずしも必要というわけではありません。むしろ、業種によっては「そもそもMEO対策をしても意味がない」「効果が出にくい」というケースも少なくありません。この判断を間違えると、時間もお金もムダになってしまう可能性があります。この記事では、MEO対策が必要な業種・必要ない業種について、根拠となるデータやGoogleの公式ガイドラインをもとに、わかりやすく解説します。1. そもそもMEO(ローカルSEO)対策とは?MEO対策とは、Googleビジネスプロフィール(旧:Googleマイビジネス)を活用し、Googleマップの検索結果で自社の店舗や事業所を上位表示させる施策のことです。たとえば「新宿 ラーメン」「表参道 美容室」「大阪 ネイルサロン」といったキーワードで検索したとき、地図とともに表示される店舗一覧のことをローカルパックと呼びます。このローカルパックで上位表示されると、店舗の情報が目立ちやすくなり、来店や問い合わせにつながる確率が大きく上がります。■ MEO対策が注目される理由Googleの調査によると、「地域情報を検索したユーザーの76%がその日のうちに訪問し、28%は購入している」(出典:Think with Google「How mobile search connects consumers to stores」)つまり、地域名+業種名で検索した人は、すでに「探している」「買いたい」という強い意欲を持っていることが多いのです。この点が、広告やSNSなどの他の集客施策と大きく違うところ。だからこそMEOは費用対効果が高い施策として注目されています。2. MEO対策が特に効果的な業種MEOが強みを発揮するのは、「来店型」または「地域密着型」のビジネスです。具体的には、以下のような業種が該当します。● 飲食店居酒屋、ラーメン店、カフェ、焼肉店など→「渋谷 カフェ」「福岡 焼き鳥」など、地域名で探されることが多い参考データ:飲食店の84.1%が「Googleマップを使ってお店を探す」と回答(出典:クロスフィニティ「飲食店におけるGoogleマップの活用状況調査」(2023年))● 美容室・サロン系美容室、理容室、ネイルサロン、まつげエクステ、エステサロンなど→「名古屋 ネイル」「札幌 エステ」など、地域名+業種名での検索が主流● 整体院・整骨院・接骨院・鍼灸院身体の不調を感じたとき、近所で探す人が多いため、マップ集客が効果的● 医療系クリニック歯科医院、皮膚科、内科、眼科など→「〇〇市 歯医者」「〇〇区 皮膚科」などで探す行動が一般的● 学習塾・スクール英会話教室、そろばん教室、ピアノ教室、プログラミングスクールなど→通える範囲で探すため、ローカル検索との相性が良いこれらの業種は「地域名+業種名」で検索されることが前提なので、MEO対策によってしっかり効果が出ます。3. MEO対策が不要な業種・効果が薄い業種一方で、次のような業種はMEO対策が必要ない、または優先度が低いケースが多いです。(1) ネット完結型ビジネスオンラインスクール通販専門のECサイトWebデザイン・ライター・動画編集(完全リモート型)→ 来店不要・地域関係なしの場合は、そもそもGoogleマップに載せる必要がありません。(2) 全国展開・国際展開の企業IT企業(SaaS、クラウドサービス)大手メーカー(製造業)海外向け輸出ビジネス→ 顧客が地域名で探す必要がなく、Googleマップ検索が集客につながらない。(3) 住所・電話番号非公開の個人事業出張専門トレーナー出張マッサージ・カメラマン・カウンセラーなど→ 出張サービスの場合、Googleビジネスプロフィールへの登録は可能 です。この場合、登録住所を「非公開」に設定でき、サービス提供エリアのみを表示することができます。ただし、マップ上にピンが表示されない(拠点型より視認性が低い)ローカルパック(上位3件の表示)への掲載は難しくなる傾向がある地域名での検索において、拠点型店舗が優先されやすいといったデメリットがあります。そのため、店舗型と比べると、MEO対策だけで上位を狙うのは難易度が高め。この場合は、MEOと併せてSEOやSNSなど他の集客施策も併用することが現実的です。(参考:Googleビジネスプロフィール ヘルプhttps://support.google.com/business/answer/3038163?hl=ja)4. 出張・対応エリアが広い業種は注意が必要「出張サービス」「全国対応」でも、拠点があればMEO対策は可能です。ただし、以下のように判断してください。【MEOが向いている場合】出張マッサージ(事務所住所を公開できる)出張撮影カメラマン(事務所がある)【MEOが不向きな場合】事務所なし・住所非公開・バーチャルオフィスのみ「全国対応」としつつ住所を明かせない→ MEO対策は拠点を公開できるかどうかが判断のカギになります。5. 必要ないのにMEO対策をするとどうなる?「とりあえずやってみよう」で対策をしてしまうと、次のようなデメリットがあります。● 集客につながらず、無駄な費用と時間がかかる→ 本来はSEOやSNS広告が向いているのに、MEOにリソースを割いてしまう。● ガイドライン違反によるアカウント停止リスク→ 拠点のない事業で無理に住所を載せると、Googleから掲載停止を受ける可能性。 バーチャルシェアオフィスでは基本的に登録できないようになっているようです。 スタッフが常駐していて看板が出ていれば登録できるかもしれません。● 本来強化すべき施策に投資できない→ 「見込み客がGoogleマップを使わない業種」なのに、マップ集客にこだわってしまう。→ 結果として「やってみたけど成果が出ない」という失敗につながります。6. 【判断基準】自社がMEO対策をすべきか?ここまで解説してきた通り、MEO対策が効果を発揮するかどうかは業種によって大きく変わります。では、自社が取り組むべきかどうかを簡単に判断するにはどうすればいいのでしょうか?次の3つの質問に「YES」と答えられるかが、判断のポイントになります質問YESNO1. 地域名+業種名で検索されるか?◯×2. Googleマップで探す行動をお客様がするか?◯×3. 公開できる拠点(住所・電話)があるか?◯×→ すべて「YES」ならMEO対策がおすすめ。→ 1つでも「NO」がある場合は、MEOよりSEOやSNS施策を優先しましょう。7. まとめ|ムダな施策を避けて、最適な集客を選ぼうMEO対策は、飲食店や美容室、整体院などの「地域で探されるビジネス」にとっては強力な武器になります。しかし、ネット完結型や消費者との直接的な接点がない企業など、「地域名で探す行動がない業種」では効果が出ない場合が多いです。まずは「自社のお客様がどうやって探すか」を考えることが、失敗しない集客施策選びの第一歩です。「うちの場合はどうなの?」と迷ったら、まずはお気軽にご相談ください。ビジネスに合った最適な方法をご提案します。